$R$, $R'$ を環, $f:R\rightarrow R'$ を環準同型写像, $J$ を $R'$ の左イデアルとする. このとき, $f^{-1}(J)$ は $R$ の左イデアルであることを証明せよ.
解答例 1
$0$, $0'$ をそれぞれ $R$, $R'$ の零元とする. $f(0)=0'$ かつ $0'\in J$ より, $0\in f^{-1}(J)$. よって, $f^{-1}(J)\neq\emptyset$.
$x$, $y\in f^{-1}(J)$, $r\in R$ とする. $x$, $y\in f^{-1}(J)$ より, $f(x)$, $f(y)\in J$ である. $f$ が準同型写像であることと $J$ が $R'$ の左イデアルであることより, \begin{align*} f(x-y) &= f(x) - f(y) \in J, \\ f(rx) &= f(r)f(x) \in J \end{align*} であるから, $x-y$, $rx\in f^{-1}(J)$.
最終更新日:2011年11月02日