$\mathbb{Z}[X]$ を整数環 $\mathbb{Z}$ 上の $1$ 変数多項式環, $p$ を素数, $a$ を整数とする. このとき, $p$ と $X-a$ とで生成される $\mathbb{Z}[X]$ のイデアル $$ (p, X-a) = p\mathbb{Z}[X] + (X-a)\mathbb{Z}[X] $$ は極大イデアルであることを証明せよ.
解答例 1
$I$ を $\mathbb{Z}[X]$ のイデアルとし, $(p, X-a)\subsetneq I$ とする. このとき, ある $f(X)\in\mathbb{Z}[X]$ が存在して, $f(X)\in I$ かつ $f(X)\not\in (p, X-a)$ である. $$ f(X)=(X-a)g(X)+b,\quad g(X)\in\mathbb{Z}[X],\quad b\in\mathbb{Z} $$ と表すと, $f(X)\not\in (p, X-a)$ より, $b$ は $p$ で割り切れない. すなわち, $\gcd(b, p)=1$. また, $(X-a)g(X)\in I$ より, $b\in I$. さらに, $\gcd(b, p)=1$ より, ある $x$, $y\in\mathbb{Z}$ が存在して, $$ 1 = bx + py \in I. $$ ゆえに, $I=\mathbb{Z}[X]$.
最終更新日:2011年11月02日