$$ \newcommand\bm[1]{\boldsymbol{#1}} \renewcommand\limsup{\varlimsup} \renewcommand\liminf{\varliminf} $$

Keywords: 零化イデアル

Description: $\mathrm{Ann}(M)$ を $M$ の零化イデアルという.

$R$ を環, $M$ を左 $R$ 加群とする. このとき, $$ \mathrm{Ann}(M) = \{ r\in R\mid rx = 0\,(\forall x\in M) \} $$ は $R$ の両側イデアルであることを証明せよ.

解答例 1

$0\in\mathrm{Ann}(M)$ より, $\mathrm{Ann}(M)\neq\emptyset$.

$a$, $b\in\mathrm{Ann}(M)$, $r\in R$ とすると, 任意の $x\in M$ に対して, \begin{align*} (a+b)x &= ax+bx = 0 + 0 = 0, \\ (ra)x &= r(ax) = r\cdot 0 = 0, \\ (ar)x &= a(rx) = 0. \end{align*} ゆえに, $a+b$, $ra$, $ar\in\mathrm{Ann}(M)$. したがって, $\mathrm{Ann}(M)$ は $R$ の両側イデアルである.

最終更新日:2011年11月02日

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