$$ \newcommand\bm[1]{\boldsymbol{#1}} \renewcommand\limsup{\varlimsup} \renewcommand\liminf{\varliminf} $$

環の準同型写像の定義を述べよ.

解答例 1

$R$, $R'$ を環とする. 写像 $f:R\rightarrow R'$ が次の条件を満たすとき, $f$ を $R$ から $R'$ への準同型写像という.

(i) 任意の $x$, $y\in R$ に対して, \begin{align*} f(x + y) &= f(x) + f(y), \\ f(xy) &= f(x)f(y). \end{align*}

(ii) $1$ を $R$ の単位元, $1'$ を $R'$ の単位元とするとき, $$ f(1) = 1'. $$

準同型写像のことを簡単に準同型ともいう. また, 加法群としての準同型写像と区別するために, 環準同型写像, あるいは簡単に環準同型ということもある.

環準同型写像 $f$ が, 単射のときには $f$ を単射準同型写像といい, 全射のときには全射準同型写像といい, 全単射のときには同型写像という. あるいは, それぞれ簡単に, 単射準同型, 全射準同型, 同型ともいう.

$R$ から $R$ 自身への準同型写像を自己準同型という. また, $R$ から $R$ 自身への同型写像を自己同型という.

環 $R$ から 環 $R'$ への同型写像が存在するとき, $R$ と $R'$ とは同型であるといい, $R\cong R'$ と書く.

最終更新日:2011年11月02日

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