$$ \newcommand\bm[1]{\boldsymbol{#1}} \renewcommand\limsup{\varlimsup} \renewcommand\liminf{\varliminf} $$

$p$ を素数とし, $n$ を $2$ 以上の整数とする. $1\leq r\leq n-1$ であるすべての整数 $r$ に対して二項係数 $\displaystyle\binom{n}{r}$ が $p$ で割れるには, $n$ が $p$ の冪であることが必要十分であることを証明せよ.

解答例 1

任意の正の整数 $k$ と, $1\leq r\leq p^{k}-1$ を満たす任意の整数 $r$ に対して, $$ \binom{p^{k}}{r}\equiv 0\pmod{p} $$ が成り立つ. このことから, $n$ が $p$ の冪ならば, $1\leq r\leq n-1$ であるすべての整数 $r$ に対して $\displaystyle\binom{n}{r}$ が $p$ で割れることがいえる.

逆に, $n$ が $p$ の冪でなければ, ある整数 $e$, $m$ によって, $$ n=p^{e}m,\quad e\geq 0,\quad m>1,\quad \gcd(p, m)=1 $$ と表せる. このとき, $$ \binom{n}{p^{e}} = \binom{p^{e}m}{p^{e}}\equiv m\pmod{p}. $$ $m$ は $p$ で割れないので, $\displaystyle\binom{n}{p^{e}}$ も $p$ で割れない.

最終更新日:2011年11月02日

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