素数は無限に多く存在することを証明せよ.
解答例 1
背理法により証明する. 素数が有限個しかないと仮定し, $p_1$, $p_2$, $\ldots$, $p_n$ を全ての素数とする. $$ a = p_1p_2\cdots p_n + 1 $$ とおくと, $a$ は $1$ より大きい整数であるから, 素数の積に分解できる. したがって, ある番号 $i$ が存在して, $p_i$ は $a$ を割る. すなわち, $a$ を $p_i$ で割った余りは $0$ である. ところが, $a$ の定め方から, 各 $i=1$, $2$, $\ldots$, $n$ に対して, $a$ を $p_i$ で割った余りは $1$ である. これは矛盾である.
解答例 2
整数列 $(a_n)$ で, \begin{equation} a_n>1\quad (n=1, 2, \ldots) \tag{1} \end{equation} かつ, 任意の番号 $m$, $n$ に対して \begin{equation} m < n \Longrightarrow \gcd(a_m, a_n) = 1 \tag{2} \end{equation} が成り立つものが存在すると仮定する.
$a_1$ の素因子を $p_1$ とする. 一般に, 番号 $n\geq 2$ について, $a_n$ は $1$ より大きいから素因子をもつ. $p_1$, $p_2$, $\ldots$, $p_{n-1}$ をそれぞれ $a_1$, $a_2$, $\ldots$, $a_{n-1}$ の素因子とし, 互いに異なるものとすると, もし $a_n$ の全ての素因子が $p_1$, $p_2$, $\ldots$, $p_{n-1}$ のどれかに等しければ (2) に矛盾するから, $a_n$ はそれらと異なる素因子 $p_n$ をもたなければならない.
こうして, 互いに異なる無限個の素数 $p_1$, $p_2$, $p_3$, $\ldots$ が得られる.
さて, 整数列 $(a_n)$ を, 例えば \begin{equation} a_n = 2^{2^n}+1\quad (n=1, 2, \ldots) \tag{3} \end{equation} とおくことによって定めると, $(a_n)$ は (1), (2) を満たす. 実際, (1) を満たすことは明らかである. $m<n$ のとき, \begin{align} a_n - 2 &= 2^{2^n}-1 = (2^{2^{n-1}}+1)(2^{2^{n-1}}-1) \notag \\ &= a_{n-1}(a_{n-1}-2) \notag \\ &= \cdots\cdots \notag \\ &= a_{n-1}a_{n-2}\cdots a_m(a_m-2). \tag{4} \end{align} $d$ を $a_m$, $a_n$ の公約数とすると, (4) より, \begin{align*} d\mid a_n &\Longrightarrow d\mid\bigl( a_{n-1}a_{n-2}\cdots a_m(a_m-2) + 2 \bigr) \\ &\Longrightarrow d\mid 2 \end{align*} となるから, $d$ は $2$ の約数である. さらに, (3) より $a_m$, $a_n$ は奇数であるから, $d=1$ となる. したがって, $(a_n)$ は (2) を満たす.
最終更新日:2011年11月02日