$$ \newcommand\bm[1]{\boldsymbol{#1}} \renewcommand\limsup{\varlimsup} \renewcommand\liminf{\varliminf} $$

$X$ を空でない有限集合とし, $f:X\rightarrow X$ を写像とする. 正の整数 $k$ に対して, $f^k$ で $k$ 個の $f$ の合成を表すものとする. また, $f^0$ を $X$ 上の恒等写像とする. このとき, ある正の整数 $n$ とある $x\in X$ が存在して, $f^n(x)=x$ が成り立つことを証明せよ.

解答例 1

$x_0\in X$ を1つとる. $m=\lvert X\rvert$ とおくと, $$ \{ x_0,\,f(x_0),\,f^2(x_0),\,\ldots,\,f^m(x_0)\} \subseteq X. $$ 左辺の集合の濃度は $m$ 以下だから, ある整数 $i$, $j$ が存在して, $$ f^i(x_0)=f^j(x_0),\quad 0\leq i<j. $$ $n=j-i$, $x=f^i(x_0)$ とおくと, $n$ は正の整数であり, \begin{align*} f^n(x) &= f^{j-i}(f^i(x_0)) = f^{(j-i)+i}(x_0) \\ &= f^j(x_0)=f^i(x_0) = x. \end{align*}

最終更新日:2011年11月02日

©2003-2011 よしいず