$$ \newcommand\bm[1]{\boldsymbol{#1}} \renewcommand\limsup{\varlimsup} \renewcommand\liminf{\varliminf} $$

すべての無限集合は可算部分集合をもつことを証明せよ.

解答例 1

$A$ を無限集合, $\mathfrak{P}(A)$ を $A$ の部分集合全体からなる集合族とする. 選択公理により,$A$ 上の選択関数 $f:\mathfrak{P}(A)\setminus\{\emptyset\}\rightarrow A$ が存在する.

まず, $a_{1}=f(A)$ とおく.一般に, 整数 $n\geq 2$ に対し, $$ a_{n}=f(A\setminus\{a_{1},\ldots,a_{n-1}\}) $$ とおく.このとき, $i\neq j$ ならば $a_{i}\neq a_{j}$ である. 実際,$i<j$ とすれば, 選択関数の性質から $$ a_{j}=f(A\setminus\{a_{1},\ldots,a_{j-1}\})\in A\setminus\{a_{1},\ldots,a_{j-1}\} $$ であり,$a_i\in \{a_{1},\ldots, a_{j-1}\}$ より $$ a_{i}\notin A\setminus\{a_{1},\ldots, a_{j-1}\} $$ であるから,$a_{i}\neq a_{j}$.

したがって, 正の整数全体からなる集合を $\mathbb{Z}^{+}$ で表すことにすると, 集合 $\{a_{n}\mid n\in\mathbb{Z}^{+}\}$ は $A$ の可算部分集合である.

最終更新日:2011年11月02日

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