$K=\mathbb{R}$ または $\mathbb{C}$ とする. $V$ を $K$ 上の $n$ 次元計量ベクトル空間, $u_1$, $u_2$, $\ldots$, $u_n$ を $V$ の正規直交基底とする. このとき, $V$ の任意のベクトル $x$ は $$ x = \sum_{i=1}^n(x\mid u_i)u_i $$ と表されることを証明せよ.
解答例 1
$u_1$, $u_2$, $\ldots$, $u_n$ は $V$ の基底なので, $$ x = \sum_{j=1}^nc_ju_j,\quad c_j\in K $$ と表される. $u_1$, $u_2$, $\ldots$, $u_n$ は正規直交基底なので, $$ (u_i\mid u_j) = \begin{cases} 1 & \mbox{$i=j$ のとき} \\ 0 & \mbox{$i\neq j$ のとき} \end{cases}\quad (1\leq i\leq n,\,1\leq j\leq n) $$ が成り立つ. ゆえに, 各 $i=1$, $2$, $\ldots$, $n$ に対し, \begin{align*} (x\mid u_i) &= \left( \sum_{j=1}^nc_ju_j \Biggm\vert u_i \right) \\ &= \sum_{j=1}^n c_j(u_j\mid u_i) \\ &= c_i(u_i\mid u_i) = c_i \end{align*} となる.
最終更新日:2011年11月02日