$$ \newcommand\bm[1]{\boldsymbol{#1}} \renewcommand\limsup{\varlimsup} \renewcommand\liminf{\varliminf} $$

$K$ を体とし, $V$ を $K$ 上の有限次元ベクトル空間, $W$ を $V$ の部分空間とするとき, $$ \dim W = \dim V \Longrightarrow W=V $$ が成り立つことを証明せよ.

解答例 1

$n = \dim W = \dim V$ とし, $u_1$, $u_2$, $\ldots$, $u_n$ を $W$ の基底とする. $x\in V$ とすると, $x$, $u_1$, $u_2$, $\ldots$, $u_n$ は $K$ 上 $1$ 次従属である. すなわち, \begin{align} &ax + a_1u_1 + a_2u_2 + \cdots a_nu_n = 0, \quad a_i\in K, \notag \\ &(a, a_1, a_2, \ldots, a_n) \neq (0, 0, \ldots, 0) \tag{1} \end{align} と表せる. もし $a=0$ ならば, $u_1$, $u_2$, $\ldots$, $u_n$ が $K$ 上 $1$ 次独立であることにより, $a_1=a_2=\cdots=a_n=0$. これは (1) と矛盾する. よって, $a\neq 0$ であり, $$ x = - \frac{a_1}{a}u_1 - \frac{a_2}{a}u_2 - \cdots - \frac{a_n}{a}u_n \in W $$ となる. ゆえに, $V\subseteq W$. 逆の包含関係は明らかだから, $W=V$.

最終更新日:2011年11月02日

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