$$ \newcommand\bm[1]{\boldsymbol{#1}} \renewcommand\limsup{\varlimsup} \renewcommand\liminf{\varliminf} $$

$a$, $m$, $n$ を与えられた正の実数とする. $$ x+y = a,\quad x>0,\quad y>0 $$ のとき $x^my^n$ を最大にする実数の組 $(x, y)$ を求めよ.

解答例 1

まず, $f(x, y) = x^my^n$, $g(x, y) = x + y - a$ とおき, \begin{align*} & C = \{ (x, y)\in\mathbb{R}^2 \mid g(x, y) = 0\}, \\ & D = (0, a)\times (0, a),\quad \overline{D} = [0, a] \times [0, a],\quad \partial D = \overline{D}\setminus D \end{align*} とおく. $\overline{D}$ は $D$ の閉包であり, $\partial D$ は $D$ (および $\overline{D}$) の境界である.

$f(x, y)$ は $\overline{D}$ 上連続であり, $\overline{D}\cap C$ は $\mathbb{R}^2$ の有界閉集合なので, $f(x, y)$ は $\overline{D}\cap C$ 上で最大値と最小値をとる. また, $\overline{D}$ 上では常に $f(x, y)\geq 0$ である.

$f(x, y)$ は $D$ 上 $C^1$ 級である. そこで, 条件 $g(x, y)=0$ のもとでの $f(x, y)$ の極値を与える点を Lagrange の未定乗数法で求める. \begin{align*} F(x, y, \lambda) &= f(x, y) - \lambda g(x, y) \\ &= x^my^n - \lambda(x + y - a) \end{align*} とおき, 連立方程式 \begin{align*} \frac{\partial F}{\partial x} &= mx^{m-1}y^n - \lambda = 0, \\ \frac{\partial F}{\partial y} &= nx^my^{n-1} - \lambda = 0, \\ \frac{\partial F}{\partial \lambda} &= a - (x + y) = 0 \end{align*} の解のうち $(x, y)\in D$ を満たすものを求めると, $\lambda=0$ のときは $x=0$ または $y=0$ となるので除外され, $\lambda\neq 0$ のときにただ1つの解 $$ x = \frac{am}{m+n},\quad y = \frac{an}{m+n},\quad \lambda = \left(\frac{a}{m+n}\right)^{m+n-1}m^mn^n $$ が得られる. この $(x, y)$ を $(x_1, y_1)$ とおく.

$f(0, a) = f(a, 0) = 0$ より, $\partial D\cap C$ で $f(x, y)$ は最小値 $0$ をとる. したがって, $$ (x_1, y_1) = \left(\frac{am}{m+n}, \frac{an}{m+n}\right) $$ において $f(x, y)$ は最大値をとる.

最終更新日:2011年11月02日

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