$\mathbb{R}$ 上の実数値連続関数 $f(x)$ で, 任意の $x$, $y\in\mathbb{R}$ に対して \begin{equation} f(x+y) = f(x)f(y) \tag{$*$} \end{equation} が成り立つのは $f(x)=0$ (定数関数) または $f(x)=e^{cx}$ ($c$ は定数) の形のものに限ることを証明せよ.
解答例 1
$f(x)=0$ (定数関数) は明らかに ($*$) を満たす.
以下, $f(x)$ は恒等的に $0$ ではないとする. すなわち, ある $a\in\mathbb{R}$ が存在して, $f(a)\neq 0$ であるとする.
($*$) より $$ f(0) = f(0+0) = f(0)f(0) $$ であるから, $$ f(0)\bigl(f(0)-1\bigr) = 0. $$ ゆえに, $f(0)=0$ または $1$. もし仮に $f(0)=0$ ならば, $$ f(a) = f(0+a) = f(0)f(a) = 0 $$ となり, 矛盾が生じる. したがって, $f(0)=1$ でなければならない.
$f(0)>0$ であり, $f(x)$ は $x=0$ で連続なので, ある $\delta>0$ が存在して, 任意の $x'\in(-\delta, \delta)$ に対して $f(x')>0$ が成り立つ. 一方, 任意の $x\in\mathbb{R}$ に対し, Archimedes の原理より, ある正の整数 $n$ が存在して $\lvert x\rvert < n\delta$ となる. ($*$) より, $$ f(x) = f\left( n\cdot\frac{x}{n} \right) = f\left(\frac{x}{n}\right)^n, \quad \frac{x}{n}\in (-\delta, \delta) $$ が成り立つ. ゆえに, $f(x)>0$.
さて, $g(x)=\log f(x)$ とおく. $f(x)$ は常に正なので, $g$ は $\mathbb{R}$ 全体で定義され, $\mathbb{R}$ 上連続かつ $g(x+y) = g(x)+g(y)$ を満たす. したがって, $g(x) = cx$ ($c$ は定数) の形である. ゆえに, $$ f(x) = e^{\log f(x)} = e^{g(x)} = e^{cx}. $$
最終更新日:2011年11月02日