$a$ を正の実数とし, 実数列 $(x_n)$ を $$ x_1 > \sqrt{a},\quad x_{n+1} = \frac{1}{2}\left(x_n+\frac{a}{x_n}\right)\quad (n=1, 2, \ldots) $$ によって定める. このとき, $(x_n)$ は収束し, その極限値は $\sqrt{a}$ になることを証明せよ.
解答例 1
相加・相乗平均の関係より, \begin{equation} x_{n+1} = \frac{1}{2}\left(x_n+\frac{a}{x_n}\right) > \sqrt{x_n\cdot\frac{a}{x_n}} = \sqrt{a} \quad (n=1, 2, \ldots). \tag{1} \end{equation} したがって, 数列 $(x_n)$ は下に有界である. また, (1) より, $$ x_n-x_{n+1} = \frac{1}{2}\left(x_n+\frac{a}{x_n}\right) = \frac{x_n^2-a}{2x_n} > 0 \quad (n=1, 2, \ldots). $$ よって, $$ x_n > x_{n+1}\quad(n=1, 2, \ldots). $$ したがって, 数列 $(x_n)$ は単調減少である. 一般に, 下に有界かつ単調減少な実数列は収束する. ゆえに, $(x_n)$ は収束し, 極限値 $\alpha$ をもつ. さらに, \begin{align*} \alpha &= \lim_{n\to\infty}x_{n+1} = \lim_{n\to\infty}\frac{1}{2}\left(x_n+\frac{a}{x_n}\right) \\ &= \frac{1}{2}\left(\lim_{n\to\infty}x_n + \frac{a}{\lim_{n\to\infty}x_n} \right) \\ &= \frac{1}{2}\left(\alpha+\frac{a}{\alpha}\right). \end{align*} これより, $$ \alpha^2 = a. $$ よって, $\alpha=\pm\sqrt{a}$ であるが, (1) より $\alpha\geq\sqrt{a}$ であるから, $\alpha=\sqrt{a}$.
最終更新日:2011年11月02日