閉区間 $I$ で連続な実数値関数 $f(x)$ は $I$ で一様連続であることを証明せよ.
解答例 1
背理法により証明する. 仮に問題の主張が成り立たないとすると, ある実数 $\varepsilon_0>0$ が存在して, どんな実数 $\delta>0$ に対しても, ある $x$, $x'\in I$ が存在して, $$ \lvert x-x'\rvert < \delta \quad\mbox{かつ}\quad \lvert f(x)-f(x')\rvert\geq\varepsilon_0 $$ が成り立つ.
特に, 各 $n=1$, $2$, $\ldots$ に対して, $\delta=1/n$ に対応する $x$, $x'$ をそれぞれ $x_n$, $x'_n$ とすると, \begin{equation} \lvert x_n-x'_n\rvert < \delta \quad\mbox{かつ}\quad \lvert f(x_n)-f(x'_n)\rvert\geq\varepsilon_0 \tag{1} \end{equation} が成り立つ.
一般に, 有界な数列は収束する部分列を含む. よって, 数列 $(x_n)$ は収束する部分列 $(x_{n(k)})$ を含む. その極限値を $x_0$ とする. (1) の1番目の式より, \begin{align*} \lvert x'_{n(k)} - x_0 \rvert & \leq \lvert x'_{n(k)} - x_{n(k)} \rvert + \lvert x_{n(k)} - x_0 \rvert \\ & < \frac{1}{n(k)} + \lvert x_{n(k)} - x_0 \rvert \to 0 \quad (k\to\infty). \end{align*} ゆえに, $(x'_{n(k)})$ もまた $x_0$ に収束する.
$I$ は閉区間だから, $x_0\in I$ である. $f(x)$ の連続性により, $$ f(x_{n(k)}) \to f(x_0),\quad f(x'_{n(k)})\to f(x_0)\quad (k\to\infty). $$ よって, $$ \lvert f(x_{n(k)}) - f(x'_{n(k)}) \rvert \leq \lvert f(x_{n(k)}) - f(x_0) \rvert + \lvert f(x'_{n(k)}) - f(x_0) \rvert \to 0\quad (k\to\infty) $$ となり, (1) の2番目の式に矛盾する.
最終更新日:2011年11月02日