$$ \newcommand\bm[1]{\boldsymbol{#1}} \renewcommand\limsup{\varlimsup} \renewcommand\liminf{\varliminf} $$

$a$, $b$, $c$ を実数とし, $a<c<b$ であるとする. $f(x)$ を実数値関数とし, $(a, b)$ で連続, $(a, c)\cup(c, b)$ で微分可能であるとする. このとき, $\displaystyle A=\lim_{x\to c}f'(x)$ が存在するならば, $f(x)$ は $x=c$ で微分可能であり, $f'(c)=A$ が成り立つことを証明せよ.

解答例 1

平均値の定理より, $a<x<c$ を満たす任意の実数 $x$ に対し, ある実数 $u_x$ が存在して, $$ \frac{f(x)-f(c)}{x-c} = f'(u_x),\quad x<u_x<c. $$ ゆえに, 左微分係数 $f'_{-}(c)$ は, $$ f'_{-}(c) = \lim_{x\to c-0}\frac{f(x)-f(c)}{x-c} = \lim_{x\to c-0}f'(u_x) = A. $$ 同様に, $c<x<b$ を満たす任意の実数 $x$ に対し, ある実数 $v_x$ が存在して, $$ \frac{f(x)-f(c)}{x-c} = f'(v_x),\quad c<v_x<x. $$ ゆえに, 右微分係数 $f'_{+}(c)$ は, $$ f'_{+}(c) = \lim_{x\to c+0}\frac{f(x)-f(c)}{x-c} = \lim_{x\to c+0}f'(v_x) = A. $$ 左微分係数と右微分係数とが一致するから, $x=c$ で $f(x)$ は微分可能であり, $f'(c)=A$ が成り立つ.

最終更新日:2011年11月02日

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