2つの正の整数 $a$, $b$ の最大公約数を $d$, 最小公倍数を $l$ とする. このとき, $$ ab = dl $$ が成り立つことを証明せよ.
解答例 1
$a=a'd$, $b=b'd$ とおく. このとき, $$ d = \gcd(a,\,b) = \gcd(a'd,\,b'd) = d\cdot\gcd(a',\,b') $$ より, $\gcd(a',\,b') = 1$ である. また, $l$ は $a$ の倍数であるから, ある整数 $k>0$ が存在して, $$ l = ak = a'kd. $$ $l$ は $b=b'd$ の倍数でもあるから, $d\neq 0$ より $b'\mid a'k$ が得られる. $\gcd(a',\,b')=1$ であるから, $b'\mid k$ である. したがって, ある整数 $t>0$ が存在して, $k=b't$. このとき, $$ l = ak = ab't =a'db't = a'bt. $$ ゆえに, $$ \frac{l}{t} = ab_{1} = ba_{1}. $$ したがって, $l/t$ は $a$, $b$ の公倍数である. $l$ の最小性より, $t=1$でなければならない. ゆえに, $ab = ld$ が得られる.
最終更新日:2011年11月02日