環の標数の定義を述べよ.
解答例 1
$R$ を環とし, $0_{R}$ を $R$ の零元, $1_{R}$ を $R$ の単位元とする.
加法群としての $R$ において, $1_{R}$ が有限位数であるとき, その位数を $R$ の標数という. すなわち, $1_{R}$ を $n$ 倍して $0_{R}$ となる最小正の整数 $n$ が $R$ の標数である.
また, $1_{R}$ が無限位数であるとき, $R$ の標数を $0$ と定める. すなわち, $R$ の標数が $0$ であるとは, $1_{R}$ を $n$ 倍して $0_{R}$ となる整数が $0$ のみであるときにいう.
$R$ を環, $m$ を負でない整数とするとき, $R$ の標数が $m$ であるためには, $$ \{ n\in\mathbb{Z} \mid n\cdot 1_{R} = 0_{R} \} = m\mathbb{Z} $$ であることが必要十分である. このことは, 標数の定め方から直ちにわかる.
最終更新日:2011年11月02日