$\mathbb{R}$ の開区間 $(a, b)$ は $\mathbb{R}$ と集合として対等であることを証明せよ.
解答例 1
まず, 写像 $f:\mathbb{R}\rightarrow (-1, 1)$ を $$ f(x) = \frac{x}{1+\lvert x\rvert} $$ によって定義し, 写像 $f_1:(-1, 1)\rightarrow\mathbb{R}$ を $$ f_1(x) = \frac{x}{1-\lvert x\rvert} $$ によって定義すると, $f_1$ は $f$ の逆写像である. 実際, 任意の $x\in\mathbb{R}$ に対して, $x\geq 0$ のとき, $$ \frac{x}{1+\lvert x\rvert} = \frac{x}{1+x} \geq 0 $$ であるから, $$ f_1(f(x)) = f'\left( \frac{x}{1+x} \right) = \frac{\displaystyle\frac{x}{1+x}}{\displaystyle 1-\frac{x}{1+x}} = x. $$ $x<0$ のとき, $$ \frac{x}{1+\lvert x\rvert} = \frac{x}{1-x} < 0 $$ であるから, $$ f_1(f(x)) = f'\left( \frac{x}{1-x} \right) = \frac{\displaystyle\frac{x}{1-x}}{\displaystyle 1+\frac{x}{1-x}} = x. $$ したがって, $f_1\circ f$ は $\mathbb{R}$ 上の恒等写像である. 同様にして, $f\circ f_1$ が $(-1, 1)$ 上の恒等写像であることも示せる. ゆえに, $f$ は全単射である.
次に, 写像 $g:(-1, 1)\rightarrow (a, b)$ を $$ g(x) = \frac{b-a}{2}(x+1) + a $$ によって定義し, 写像 $g_1:(a, b)\rightarrow (-1, 1)$ を $$ g_1(x) = \frac{2}{b-a}(x-a) - 1 $$ によって定義すると, $g_1$ は $g$ の逆写像である. ゆえに, $g$ は全単射である.
2つの全単射 $f$, $g$ の合成写像 $g\circ f:\mathbb{R}\rightarrow (a, b)$ もまた全単射である. したがって, $(a, b)$ は $\mathbb{R}$ と対等である.
解答例 2
写像 $f:(a, b) \rightarrow \mathbb{R}$ を $$ f(x) = \frac{x-c}{(x-a)(b-x)},\quad c=\frac{a+b}{2} $$ によって定めると, $$ f'(x) = \frac{1}{(x-a)^2(b-x)^2}\left( \left(x-\frac{a+b}{2}\right)^2 + \frac{(a-b)^2}{4} \right) $$ であるから, $(a, b)$ 上において $f'(x)>0$. よって, $f(x)$ は単調増加関数である. さらに, $$ \lim_{x\to b-0}f(x) = \infty,\quad \lim_{x\to a+0}f(x) = -\infty. $$ ゆえに, $f$ は全単射である.
最終更新日:2011年11月02日