$$ \newcommand\bm[1]{\boldsymbol{#1}} \renewcommand\limsup{\varlimsup} \renewcommand\liminf{\varliminf} $$

$R$ を環, $M$ を左 $R$ 加群とする. また, $\Gamma_0$ を $M$ の部分左 $R$ 加群からなる空でない集合族とし, 包含関係について全順序集合であるものとする. このとき, $\displaystyle\bigcup_{L\in\Gamma_0}L$ は $M$ の部分左 $R$ 加群であることを証明せよ.

解答例 1

$\displaystyle L_{\infty}=\bigcup_{L\in\Gamma_0}L$ とおく. $\Gamma_0\neq\emptyset$ より, $L_{\infty}\neq\emptyset$ である. $x$, $y\in L_{\infty}$, $r\in R$ とする. ある $L_{1}$, $L_{2}\in\Gamma_0$ が存在して, $x\in L_{1}$, $y\in L_{2}$ である. $\Gamma_0$ は全順序集合だから, $L_{1}\subseteq L_{2}$ または $L_{2}\subseteq L_{1}$ である. そこで, $L_{1}$, $L_{2}$ のうち包含関係について大きいほうを $L_0$ とおく. すると, $x$, $y\in L_{0}$ となるから, $x-y$, $rx\in L_{0}\subseteq L_{\infty}$ となる. したがって, $L_{\infty}$ は $M$ の部分左 $R$ 加群である.

最終更新日:2011年11月02日

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